衣裳写真


        



   
  

 

  

おまけ
 


 − ごあいさつ − 当日パンフレットより 

劇団を立ち上げた頃、うちの近所に、一匹の野良猫がいました。そいつは、とてもよく僕になついて、
僕もそいつのことを「ノラ」と名づけて、家に上げてやったり、ミルクをやったりして、かわいがっていました。
思えば、ジャングルベル・シアター第一回公演の脚本を書いたときにも、奴は僕の膝の上にいました。
稽古から帰ってきた夜も、バイトで疲れて帰ってきた夜も、初回公演の打上げで酔っ払って帰ってきた朝も、
いつも洗濯機の上にちょこんと座り、僕の帰りを待っていました。
ところがある時、不意に姿を見せなくなりました。最初は、何処かで遊んでいるんだろうと、
気にもとめませんでしたが、一週間が経ち、二週間が経つ頃には、さすがに心配になり、近所を探して
歩いたりもしました。しかし、最後に洗濯機の上で頭を撫でてやって以来、二度とノラの姿を見ることは
ありませんでした。
きっとノラは、あの日、僕に最後の挨拶に来たんだと思っています。何処かの町に旅立つ前に。
そして、僕の知らない町で恋をして、たくさんの元気な子供達を産んで、きっと今頃は、元気に
遊ぶ孫達を眺めながら、よく日の当たるブロック塀の上で、うたた寝でもしてるんじゃないかな。
な、そうだよな、ノラ。
                    代表 浅野泰徳